技術書店で買った本を大体読んだ、軽いレビュー
東京に引っ越したウキウキ田舎民なので技術書展にワクワク初参加した。といっても、人混みはあまり好きではないので、お昼過ぎにゆっくり行った。結局人混みに埋もれることになったが、並ばずに済んだので良しというとこである。
読んだ本たち
ゼロからはじめる3Dオーディオ入門
booth.pm
3D音声って何?レベルの初心者でも機材からその使い方まである程度把握できる本。
XRにとても興味があり、常々音声が与えるプレゼンスの影響は大きいと感じていたため購入。今まではとても3D音源の収録機材にお金がかかったそうだが、革命レベルの安い機材が登場したようで、敷居が下がったらしい(3万円程度)。なるほど、これならまだ手が届く範囲で買えそうだ。とても親切に機材やソフトウェアの使い方が記されており、初心者の僕でも機材さえ手元にあれば、今すぐにでも山に音源を収録しに行けそうな勢いである。というか行きたい。しかし、ここ最近の新型HMDデバイスの発売ラッシュでお金が足りない...無念だ...。
フリーランスを完全に理解できる本
booth.pm
フリーランスエンジニアのきりみんさんがフリーランスに至るまでの経緯と、その後の話。
自分はあまりフリーランスに興味ないのだが、フリーランスという生き方はどんなものなのか知ってみたかったので購入。「フリーランスになれば儲かる」と宗教染みたように語る若者達と、それに反抗するように頭ごなしに「フリーランスは低学歴の末路」と否定するおじさん達のバトルばっかり見るので、中立的に意見が述べられているこの本はとても貴重に思える。本の内容は、「他はどれであれ僕はこうだった」というリアル(お金とかも結構具体的に載っている)である。僕個人は事業にガッツリ関わりたい民なので、今の自分の立場は正解だったなーと再認識した。
技術をつたえるテクニック ~分かりやすい書き方・話し方~
booth.pm
技術を文章として書く上で何に気を付けるべきかが学べる。
僕は文章を書くことが多いので参考にするために購入。とても良い本だった。ユーザーファーストで何を意識するべきか具体的に述べられている。本著で述べられている内容は常に意識していたい。今時チーム開発を一切しないエンジニアはいないだろうし、エンジニアならみんな読んでいいと思う。
VRSF このVRがすごい!
www.melonbooks.co.jp
様々なVRコンテンツのレビューとVRに対するアカデミックな考察が述べられている。
XRエンジニアの端くれとしてできるだけ多くのXRコンテンツは体験するようにしているものの、お金も身も持たない...。なので、こういった本で一気に知れるのはとても助かる,,,(XRコンテンツは百聞は一見に如かずの側面が強いので甘えすぎるのも問題)。レビューとは異なるが、エイゼンシュタイン氏と今井氏の理論から、キズナアイの「キャラクター」を明らかにしようとする試論はとても興味深かった。これだけでも読んだ価値があると思える。
Colorful Hacks
techbookfest.org
アカツキさんの社員さんが、低レイヤーから組織作りまで、実業務等で培った様々なノウハウを詰め込んだ本。
個人的に冒頭にあったx64アセンブラの記事に惹かれて購入した。昔にその辺の技術で遊んでいたのでとても懐かしい気持ちになった。とても丁寧だったので、入門にとても良いと思う。アカツキさんが取り組んでいるエンジニア組織の取り組みも、チームとしての価値観を感じられてとても良かった。自由に本を買える福利厚生、羨ましい(技術書展で1万円ほど散財して財布が寂しくなった)。
VRM FANBOOK2
booth.pm
VRMのアプリ作成・モデルセットアップのテクニックがまとめられている。
実際のセットアップや試した経験則から書かれており、丁度欲しい情報に手が届く感覚がある。実際、VRMは公式のreadmeが相当作りこまれているため、理解はそこを見れば良いので、うまくそこを避けた内容で秀逸。特に3章の「VRM の深淵」は技術同人誌ならではという感じで楽しい。
ぷれぜんすっ!
booth.pm
メルカリのxRチームが各々興味あることについて書いたTips集。
わくわく楽しい最新デバイスがいっぱい載っていてとても嬉しい...。お金が足りなくて試せなかったんだよね...。個人的に最も面白かったのがLookingGlassの項。なぜ、3Dに見えるのかの理論がとても分かりやすく(特に文章内で紹介されているスライドが秀逸)良かった。あの透過LookingGlassの実装、あんな単純だったんですね。アイディア勝利だ。
mixi-tech-note
speakerdeck.com
mixiさんによる技術Tips集。
こちらも組織作りに対する考え方があり、学びがある。特に非エンジニアの人にSQLをたたく環境を整えた話は参考になった。僕はUnityを主に使っているが、これはGUIに優れたツールであるため、どの範囲までエンジニアが対応するかはよく考えるところである。場合によっては環境を整え、非エンジニアでもできるところを増やして効率化を図っていきたい。また、デバッグツールをUnity上で作った話もとても参考になった。規模の大きい開発ならば、デバッグツールを作った方が効率化されることは念頭に置いておきたい。
WebXRの現状確認 2019 Spring
taimen.jp
WebXRが今どのような状態にあるかまとめられている。
自分がWeb周りの技術に疎いのもあって、WebXRの知識も遅れていたが、この本のおかげでWebXRの現状をある程度把握することができた。超大手各社が仕様策定のために動いてたし、凄いクオリティのサンプルもあってヤバい...。自分、めっちゃ遅れてるじゃん・・?情報追わなきゃ....。
まとめ
何とかGW中に買った本は概ね読み終えることができた。技術同人誌は、肩の力入れずに読めるものが多くて良いですね。趣味全力投球な感じの技術文章とか見ていてとても楽しい。次くらいには、出展側で参加したいですね。